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きつねのかみさま
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「………た……い………おい、悠太?」
友達の陸に呼ばれて我に返る。見上げると陸が肩を叩いてきた。
どうやらぼーっとしていたようだ。
「ごめんごめん。何?」
後1週間で夏休み。心無しか皆の気がはやっている様にも感じる。
「あのな。前に近くに神社があるって言っただろ。あそこでクワガタとか良く採れるらしいんだよ。向町の奴が言ってた。夏休みに浩介も誘って行こうぜ。」
無邪気な笑顔で笑う陸。クワガタは僕も好き。カッコイイし。
僕が乗り気で珍しいのか、陸は嬉しげに浩介に声を掛け呼び寄せた。
「……クワガタかあ。いいね。俺も行きたい」
浩介は嬉しそうに笑うと、急に表情を変えた。
「でもさあ。あそこ、……出るらしいよ?大丈夫?」
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