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嫌なもの
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悠太side
1匹目の大物を取り逃し、気持ちも沈んで歩いていると、ふと視界の隅に映った黒いもの。
いつものあれか、と思い手を振ろう…としたが僕は一目散にその場から走った。
あれはいつもの安全なやつじゃない。
駄目だ。
さっと後ろを振り向くと鎌を持った口裂け女のような化け物が追いかけてくるのが見えた。
必死に走っていると、あろうことか石につまづいて転んでしまった。
口裂け女の鎌が振り下ろされ、僕の肩を切り裂いた。
鋭い痛みに思わず呻く。
今度は外されようが無い。口裂け女が気味悪く笑い、鎌が振り下ろされ…………無かった。
何故かギリギリで鎌は静止し、まるで見えない何かに掴まれているようだった。
「おーおー。めっずらしー。お前が出てくるなんてなあ、鎌イタチ。」
突然頭上から明るい声が聞こえ、そっと顔を上げると15歳くらいの青年が化け物の腕を掴んで静止させていた。
しかし良く見ると、尻尾が生え、頭には狐の耳。
現代には似つかない赤い着物と下駄を着ていた。
人間じゃ………ない…………
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