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結多は、悪夢に悩んでいる。
それはもう、物心ついた時には毎晩夢に魘されていた。
悪夢と言っても怪物やお化けのようなホラーではない。どちらかと言えばサスペンスだ。
眠りにつくと必ず、仄暗い世界にいた。
それだけだ。
その場所には物はなく、家族や友人がいるわけでもない。
何処に続いているのかも分からず、しかし、恐らく何処にも終わりなんてない。
しかし、その場所にしばらくいると必ず、とある人物が現れる。
とある男のシルエットだ。包丁を持った。
そいつは結多を見つければ、すぐに追いかけてくる。
結多も逃げるが、男のスピードにはかなわず、数秒で捕まりそして________
「鬼ごっこしましょ、結多君」
ここでいつも目が覚めるのだ。
なんだ、夢かと再び眠りにつくと、鬼ごっこも再開する。
そんなこともあり、幼いころから十分に睡眠をとるということに縁が無い。
両親は心配して、色々な精神療法を試してみたが効果は見られなかった。
加えて、自分の夢について相談をしてもろくな返答も無かったから、誰かにこのことを伝えるのはとっくの昔に止めている。
しかし、幸か不幸か、小学4年の或る日、そんな夢に変化が見られた。
空間の四方八方に様々な紋様の扉が現れたのだ。
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