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「ん、お前…」
まだ、現実を認識してなさそうな群青の目が怪訝そうにこちらを凝視する。
身体中の血液があっという間に頭部に集まっていくのを感じた。
「す」
「す?」
「すみませんでしたーーーーーーー!!!!!」
とうとう恥とか恐怖とかに耐え切れず、結多はその場から逃げた。
それはもう恥ずかしくて、「もおおおお」とか「おああああ」など奇声を発しながら。
「あー…行っちゃった…」
自宅に向かって爆走する彼を、銀色の頭を掻きながら黙って見送る。
その手には、カードが一枚。
結多の定期だった。
「へー…へびいちご…ねー、あ、住所あった」
青年は薄く柔らかそうな唇をニッとして、空に浮かぶ月を眺めた。
「明日届けてやるか、ご近所だしな」
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