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「…何で!?」
ドアを開けて3秒の沈黙の後やっと出てきた言葉がそれだった。
「いや、何でって‥‥ほら」
結多の言葉に驚いたのか、困惑したように端正な顔を歪めながら手に持っていたカードを差し出す。
「これ、オタクのでしょ」
「え、…あ」
緑と銀の磁器カードが入ったパスケース、家と大学の最寄り駅が書かれている定期券をクルリと白い手が裏返す。
ここの住所と『蛇苺 結多』……自分の名前が欄に堂々と緊急連絡先が目に入った。
「ありがとうございます」と礼を言って受け取る。
「ん?ああ。」
(まさか、自分が数時間前に恥を晒した見ず知らずの男に拾われるとは…)と内心泣きそうになった。
しかし、彼との接触はこれだけでは終わらなかった。
さっきから、じろじろと訝しげに結多の顔を眺めては「んー」などと小さな喃語が閉じた口から聞こえるのだ。
怖い。早く家に戻ってゲームをしたい。
痺れを切らして、一言文句を言う事にした。
「あの!!人の顔見て」「あっやっぱし昨日の!!!!!」「いや、気付くの遅くないですか!!!!!???」
喋り出したのがほぼ同時だったので乗りツッコミをかましてしまった。
『白』は少し驚いて数秒目を見開いた後「やっぱり……か」「コイツ夢…」とかぶつぶつ独り言を繰り返す。
(もういいかな)
玄関を閉めようとした時だ。
「オタク、……毎晩魘されてないかい」
「え?」
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