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「オタク、毎晩魘されてないかい」
思わず手を止めた。
たちまち、恐怖心が竜巻のように発生する。
慌ててドアを閉めようとしたが、一歩遅く、ドアの上の方を掴まれていた。
かなりがっしりと掴まれてる、その細長く虚弱そうな図体とは想像もつかないような力で。
更に追い打ちをかけるように『白』は続ける。
「もしかして、図星?……じゃあ、もっと詳しく」
「例えば……女になってDV男にレイプされるとか」
確かに、毎日夢に出る包丁男に怯えて、肉体的に眠れても精神的には疲れたままの日々。それが影響なのか、目の下には常に濃い隈が肌色を支配していた。
でも何でほぼ初対面のコイツが知っているのか。
今まで下を向けていた目を恐る恐る上に向ける。
ドアの隙間から放たれる群青の視線に交われば、自分の視線が固定された。
微笑みを浮かべた無表情の眼に自分の青ざめた顔がどう映っているのか。
何処か冷静になりながらも、ドアノブを持つ汗まみれの手に力が入る。
ガシャン!!!!!
「いてッ」
「へ?」
突然の悲鳴で我に返る。
上の方を見ると、白い手からたら―――‥‥っと赤い液体が滴り落ちる。
完 全 に 挟 ま っ て い た。
「いぎゃあああああ!!!?」
血に驚いてしまって思わずドアノブから手を離すと更にドアは閉まる。
「痛い…」
「あああああ、い、今開けます!!」
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