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「…お前案外力持ちね…いてっ」
「すみません…」
罪悪感に蝕まれた声で謝罪する。
結局あの後、『白』を部屋に招き、今はこうして怪我の手当てをしている。
丁度、春休みの自動車教習で包帯を貰っていたのが幸いだ。
女のように細く長い指をつけた手は挟めていたところが青紫色に変色し、特に圧力で押しつぶされていたところから酸素が不足した血が滲んでいる。しかし、骨折はしていなかった。
ぎこちない手つきで、習ったように少しきつめで包帯を巻いていく。
「いぃの、いぃの。こっちこそすまないねぇ。初対面であれは流石に反省したわ」
「…あまり動かないで」
『白』は反対側の手をフラフラさせてへにょっと反省した笑みを見せるがが、結多はどちらかというと包帯を巻くことに専念していた。
早くこの男を追い出さなければ。
そんなことを考えながら。
ある人が言うには、夢はその人を映す鏡だそうな。
夢によってその人の性格も嗜好も分かってしまう。
入り込む夢世界はエログロナンセンスなのだ。
夢を暴かれるのは、いくら他人のとはいえ結多にとって恐怖心でしかない。
ましてや、あんな、淫猥な夢。
一刻も早く終わらせなければならない。
「そういや、さっきの話だけどさ」
包帯を巻く手がピタッと止まる。
冷汗が至る所から噴き出る感覚。
(やめろ、その話を、するな)
必死に心の中で唱える。
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