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心拍数が痛いくらいに上昇、全ての血が濁流になって右心房に流れてきている。
「…やっぱ、いいか。」
「へ?、ってわっ」
頭にがぽっと被さるのは白い手だ。
顔を上げた、と同時に無事なほうの手で頭をぐしゃぐしゃに撫でられる。
「おー、柔らかい」
「なっっにするんですか!!!!!」
「おっと」
包帯を落として空っぽになった両手が乗せられた手を放り落とした。
恐らく子ども扱いされたような恥ずかしさで今度は血液が煮えくり返りそうだ。
しかし、撫でていた当人はまるで面白がっているかのようで。
「ごめんごめん、猫みたいだったから。あ、あと、さっき玄関先で言った話、本気にしなくていいからね」
「…はぁ?」と思わず聞き返そうとした。その時、
じゃきり。
それは、聞き覚えのある音だ。
見ると男がいつの間にか包帯を鋏で切っていた。
確かに、必要時によく聞く音だ。前髪を切る時とかスクラップを作るときとか。
(なのに、妙にその音に惹かれてしまう。何故だろう、何処かで…)
そう思いつつ、現実を見れば『白』はもう玄関前にいた。
包帯は結ばれておらず、余った部分はそこにあったセロハンテープで固定されていた。
「え!?あ、ちょっと!?」
「んじゃあ、もう行くよ。手当ありがとうな、へびいちご君」
無事な方の手をひらひら揺らして、あっという間に玄関を出ていった。
白く長い髪に隠れていた左頬の青痣が印象的だった。
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