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4/23 21:59
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「あ゛ー‥‥」
シャワーから戻り、ベッドにバサっとダイブした。
なんか異様に疲れていしまったのだ。
結局、あの後すぐに後を追うがもう何処にもおらず、部屋に帰ってゲームをやるも今日の全てが気になってしまい、結局集中できなかった。ポイント20万で手に入る欲しかった推しの限定衣装は諦めるしかない。
仰向けになってみる。ただ天井と向こう側に貼ったポスターが目に入るだけだった。
「…また、恐ろしい夜が来た。」
昔好きで読んでいた児童書の冒頭を思い出した。
毎晩の悪夢を思い出し、夜は怖いものだっていうことを嫌なくらいに実感する、あの小説。なのにこれは自分だけではないことを教えてくれる本でもあった。
昔はそれでよかったのだと思う。
けれど、年を重ね、周囲の話題が現実に移ったとき、自分はもう普通の人間ではないことを知ってしまった。
周囲の人は良く言うが、いまだにこの意味が分からない。
「寝たら忘れる」って、誰が決めたんだろうか?
ふと、見覚えのないものが視界に入った。
ベッド脇のテーブルの上、パソコンや授業のプリントが無造作に置かれて残った少ないスペースに紺色の四角いカードが置いてあった。
固そうだが触り心地良さそうな、艶めかしい光沢を放っていたそれに手を伸ばそうとした。
しかし、とろんと、目蓋が重たくなる。
身体が限界を迎えたようだった。
(嫌だ、寝たくない)
(誰かに殴られたくない、嫌なことされたくない)
(なんで俺ばっかり)
(今日は誰も出てこないで)
(追ってこないで)
(お願い誰か助けてよ)
(死にたくない)
(夢で死にたくない…生きていたい…)
この後何を考えたか記憶に残っていない。
気が付けば、また、無数の扉に囲まれていた。
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