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バタバタとした音はだんだん近くなっていく。
重なって聞こえるから複数人だろうか。
(何だろう?)
と思った瞬間だった。
階段の踊り場からひょこっと顔が覗いた。
長い茶髪をポニーテールにした濃い化粧の女の人。
「ぅあ!?」思わず変な声で叫んでしまった。
女は結多の顔を見ると、すぐに下の階に向かって叫ぶ。
ハスキーで綺麗な声だ。
「あー!やっぱり!!!ちょっと、カイム!!!お客さんもう来てるわよ!!??」
「げ、うそ、すぐに行く」
そう返事したのは、聞き覚えのある男の声。同時に、ガチャガチャと下の階から物音が響く。
「えっと……」
「あっ、いま事務所の人来るからちょっと待っててね」
踊り場の女の人は立ちすくむ結多に向かって笑顔で告げた。
カイムが来たのは、「は、はい」と結多が力無い返事をしたのとほぼ同時だった。
「れんちゃんすまない」
「全く、約束取り付けてるなら目覚ましくらいかけなさい!…あと、謝るなら、あの子に。多分10分は待ってるわよ。」
「はーい、気を付けまぁ…」
ゴッ、と鈍い音が響いた。
欠伸混じりに返事した彼の頭に、女の手刀が振るわれた。
「痛い………」
「少しは懲りなさい」
頭を押さえるカイムを他所に、彼女は呆然としている結多の方を向き「ごめんなさいね、ごゆっくり」と言って下に戻っていった。
「ヒェ……」
女の人は怖いとつくづく思う結多だった。
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