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二度目の事
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生暖かい濡れた何かに包まれる違和感、普段はパンツの中にしまっているはずの場所だ。その感覚には覚えがある。いまだ童貞、しかし白田はそれを無闇に捨てたいとは思っていない。後生大事に取っておく気もないが、然るべき人とそうなれればいいなと思っている。それで、またあの男の仕業かと決めつけて酔いで重いまぶたを開けた。
眼鏡のないぼやけた視界、下半身に人の頭が見える気がする。この横たわっているベッドや空間が、自分に与えられた狭くヤニ臭い部屋ではない事に気づかないまま、だるい腕を額に当てるとろくでもない記憶が浮かんできた。
前回は茶髪の子だった。あの、先生とは名ばかりのとても尊敬出来ない性格破綻した男が呼んだデリヘル嬢の話だ。
白田の中で猛牛と同等扱いの男は、見た目からは想像出来ないが小説家という生業をしている。彼の作品が好きで初期からのファンであった白田は諸々の誤解と夢を見て、知人のさらに知人のツテをたどって助手に収まった。その時の彼はリストラで仕事を失くし、家賃の支払いにも苦労していて、住み込みで身の回りの世話や仕事の手伝いをしてくれる助手を探しているという話に飛びついた。それが人生最大の失敗だったと、いまだ悔やんでも悔やみきれずそこから抜け出せない。助手とは何か、それが今一番の疑問だ。ネタのためだからとデリヘル嬢にまたがられ、人に見られながらフェラからのパイズリを経て素股で射精というのは仕事なのか。ローションと精液まみれの裸体をさらし、慌ててバスルームへ駆け込む姿をくわえ煙草で見送る男を先生と呼ぶ事に嫌気がさす。
あんなに二度とごめんだと思い、バスルームで情けなさに涙さえ流したのに、白田の正直すぎる体はこの快楽には勝てそうもない。
「う、」
反応したくないのに声が出る。いつからしゃぶられていたのかわからないが、相手が凄腕なのか前回より限界が近い。喉奥で絞るように吸われれば、酒の酔いも上乗せで弾けそうになる。
「やめて、でる。」
女の子のため、声をひねり出す。くぐもった声が届いたのか、相手は吸うのをやめて口を離した。ぷりんと勢いよく唾液に濡れた男根が揺れる。
「やっと起きたね。」
それは本日二度目のセリフで、その声が先生以外の男のものであるという事と聞き覚えがある事に白田は驚いた。自分の下半身にすがめた目を凝らせば、どこかで見たイケメンが笑みを浮かべている。
「おはよ。」
「は、はあ、」
状況が把握できずに生返事する。何が何だかわからないし、酔った頭では深く考えられない。
「気持ちいいでしょ。」
「まあ、」
素直に頷くと、足の間にいた男に仰向けの体を返すように促される。その慣れたしぐさに、何の考えもなしに白田はうつ伏せた。勃起した男根をかばって、変なふうに腰が上がる。
「もっと気持ちよくしてあげるよ。」
言葉と一緒にローションが尻にかかる。びっくりする間もなく、コンドームをつけた指が穴の中へ入ってきた。
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