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仕組まれたゲーム
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「な、なんですか!」
さすがに白田が声を張り上げる。それなりに声が出たはいいが、肝心の水上は指を入れたままどうしたのかと首を傾げた。
「痛いの?」
「い、いや、」
そう聞かれると痛くはない。だが奇妙な感じがするし現実味がない。そういえばあの会員制の店はこういう性的嗜好の男性達が集う場であったと思い出した。しかし自分には関係のない事で、こんな状況にもかかわらず危機感を感じられない。何故ならイケメンである水上が、そういった意味で自分へ興味を持つとは思えなかった。
そしてある可能性に気づいた。
水上の名刺を持っていたのは先生だ。だとすれば二人は知り合いだろう。あの猛牛に仕組まれたいたずらだと、回らない頭で結論に至る。男の手で射精させられ、白田が泣けば終わりのゲームだ。後日、二人で笑い者にでもするのだろう。
「はあ、」
情けなくなり枕へ顔を埋めていると肩に息を感じた。ぬるついた手が慎ましい平らな胸を優しく撫でて乳輪と乳首に触れるのを、枕から頭を緩慢にもたげ視線で追う。今更ながら互いに全裸だと気づく。白田には、女性でもないのに胸をいじる必要性も、いまだに尻穴にじっと動かず入ったままの指の意味もわからない。
「そういうのやめてください。」
射精してとっとと終わりにしたい。ただでさえ酒のせいで全身がだるい。
「ふうん、胸は苦手なの?感じにくいのかな。でも慣れたらいい性感ポイントになるのに残念。」
そう言って勃起したままの男根にローションを追加し、ぐぢゅぐぢゅと下から上に擦るデリヘル嬢よりも大きな手。絶妙な力加減に再び快楽の波に引きずり込まれる。同時に動き出した尻穴の違和感に気づかない間に、一本だった指は二本になっていた。
「あ、ああ、でる。」
体の中からくうっと前立腺を押され、先端が濡れる。未知の快感に脳内で火花が散る。くわえ煙草のニヤつく男の顔も一緒に弾けた。
「まだダメ。我慢して。」
耳元で囁かれ男根から手が退く。艶のある声に白田の腰がもっとと揺れる。顔の造作が良いというのは時に都合よく、水上はそれをよくわかっていた。後で馬鹿にされるとわかっていてもこんな経験に疎い身には、この先に訪れるだろう瞬間は甘い誘惑だ。
「なんでやめるの、ああはやく。」
ねだるような声に、水上は小さく笑う。
「ごめんね、もう少しならさないと入りそうもないんだ。最近ご無沙汰だったのかな。すごく狭い。」
言われた言葉が耳を素通りする。何でもいいから早く射精させてほしいのに、尻穴の中から指が出たり入ったりするだけでたいして気持ちよくもない。水上がしてくれないならと自分で手を伸ばし、物欲しそうに張り詰めた男根を握る。背中を丸め、シーツに汁を垂らしながら夢中で擦った。ツポンと尻から指が抜ける。
「あっ!」
もう少しでいきそうなのに、背後から重なってきた手に封じられた。
「はい、ストップ。入れるから腰を上げて。」
そのまま下腹にまわった腕で、ぐっと抱き寄せられると互いの体が密着する。そこでやっと白田は何かおかしいと思った。萎えていると思い込んでいたのに、臨戦状態で尻にあたっている。
「うわ!あたってる!なんで!」
「今さら何騒いでんの。まさか挿入なしで終わろうと思ってた?初めてでもないだろうに、そんなんで満足できるの。」
半身を捩り水上を見た白田の顔が驚愕して固まる。コンドームを装着済みでスタンバイしてる立派なものに悲鳴が漏れた。
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