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変化する抱き枕
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ぐちゅ、指を動かすとローションで濡れた音が漏れる。解れた穴から指を抜くと粘液が糸を引き、一緒にいじられていた竿もローションで温んで、大きな手が離れるのを惜しむようにぷるんと揺れた。
「はぁ、」
股を開きベッドに横たわる白田の吐息が、覆い被さる黒谷の頬をかすめた。最近、よく触れる機会のある体はいつになく敏感で、素肌同士の接触に小さく震え、男の欲望を煽る。抱き枕の時は、特になんの反応もしなかったくせに随分な違いだ。
「腹立つなあ、おい。」
「なに、」
黒谷の言葉を聞き取り、裸眼を細めるように見てくる。見慣れた眼鏡をかけていないだけでも印象は随分と変わるが、今夜の白田は水上との情事で朝帰りになった時と同じく色気が滲み出ている。
「お前、いつもこんなふうになんのか。」
問いの意味がわからないのか、白田が首を少し傾げた。
「なんでもねえよ。」
黒谷が汗ばんだ額に張り付く前髪を退けてやり、こめかみにくちづけると、きゅっと目と口を閉じて小さく肩を寄せ縮こまる。そんな仕草も、この行為に慣れが感じられずかわいい。三十路、男、しかも童貞。黒谷がけしかけた事とは言え、ここまで化けてしまうとは思っていなかった。
「先生?」
こんな時でも助手という立場は有効なのか、動きを止めている黒谷の様子を窺う表情はいつもの彼だ。
「止めますか?」
「なんで?」
質問へ質問で返すと白田の視線が横に逸れ、伏せられたまぶたから伸びたまつ毛が瞳を隠し、腕の中に閉じ込めるように覗き込む黒谷から逃れる。
「後悔してるのかなって思って。」
「そりゃ、お前の気持ちか。」
「そうかもしれません。」
勢いでここまで進んだものの、黒谷の気持ちはよくわからないというのが本音で、女性としか経験のない男相手にどこまで応えられるのか。考えだすと迷いが出てきた。
「だとしても、止めてやらねえよ。ここまでせっせと準備させといて、今更後悔してる発言されてもな。ごちゃごちゃ考えんな、気持ち良けりゃいい話だろうが。」
ずばっと切り捨て、眉根を寄せている手を取って半身を起こさせるとそそり立ったものへ導く。目線で訴えると、白田がゆっくりと包み込んだ形に合わせて手を上下させると更に硬度を増してきた。それから一瞬躊躇して、やったことのないフェラをするために舌を出して含もうとしたところで止められる。
「無理すんな、ゴム付けるからもういいぞ。」
躊躇いを見透かされて動揺するが、黒谷がローションと一緒に用意していたゴムの封を切って装置するのを見守っていると、いよいよかと鼓動が早くなる。
腿に手をかけて浮かし、穴の位置に男根を押し当てれば、濡れて光る入り口がひくつく。
「入れるぞ。」
返事を待たずにゆっくりと差し込む。時間をかけて解したそこは狭いが柔らかく、吸い付くように包み込んでくる。
「はあっ、」
息を吐いて異物感をやり過ごす。素面での行為は初めてで、黒谷の顔を見る余裕もなくまぶたを閉じて耐える。立っていたものが萎えそうになった。
「お前大丈夫か、まだ半分くらいだぞ。本当に入んのかこれ。」
「む、無理かもしれないです。」
先程見たサイズを思い浮かべ弱音をこぼし、シーツをしっかりと握り込む。
泣き出しそうな気配を感じ、中途半端にはめた状態で黒谷がため息を吐く。少し前までは、この表情が面白くて仕方なかったが、今この場では求めていない。
「抜くか。」
「えっ、でも、」
あっさりと放たれた言葉にパッと目を開き、びっくりしたように頭を浮かせる。気持ちが先走り、シーツを放すと、とっさに近くにあった腕を掴んだ。
「待って!大丈夫ですから止めないで!」
突然、縋るように左腕を引かれた黒谷が驚く。別にセックスそのものを止めるつもりではなく、一旦抜いてからもう少し慣らして再挑戦しようと思っただけだった。
「ぷっ、必死か。」
「わ、笑わないでください。」
かあっと顔が熱くなる。緊張感が緩んで恥ずかしさでいっぱいになった。しかも穴に入ったままなので、思うように身動き出来ない。
「だから、さっき止めてやらねえっつったろ。苦しそうだから一回抜こうとしただけだ。お、少し緩んだな。」
抜け目なく、強張った体から余計な力がなくなったのを感じて浅い場所でぬぷぬぷと抜き差しする。トロトロと玉裏から穴へ垂らし込むようにローションを追加して、ふにゅりと撫でた。
「あ、あ、あ、」
次第に甘い声が上がり始める。その頃にはもう、全てを貪欲に飲み込み、大きなスライドに合わせて腰を反らしながら揺らされていた。
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