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保健室登校4
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そうして2限が終わり、3限が終わり、4限が終わって、昼休みのこの時間になると胸がばくばくしてくる。
その時をまだか、まだかと待っていると、コンコンと保健室の扉をノックする音が聞こえていた。
きた。今日も、のみーがきた。
「失礼します。お、遥。元気か?」
気さくな雰囲気で笑いかけてくるのは、担任の野見山先生。通称、のみー。
このあだ名も岡田くんたちのグループがつけたもので、担任の先生にあだ名をつけるというのもクラス内の権力者に許された権利の一つだ。権力者たちは、何でも許される。
「こん、にちは」
「うん、こんにちは。遥はちゃんと挨拶できて偉いな」
のみーは、生徒全員を下の名前で呼ぶ。
でも、下の名前で呼ぶのも、挨拶くらいで僕を褒めるのも、僕が今教室に行けてないからなのかな、と思う。
僕を喜ばせるために、わざと、こんな優しくしてくれてるんだと思う。
それでも少し嬉しくなるのは、僕が単純だからなのか。
のみーは、こうやって毎日昼休みには保健室にきて、少し雑談をして帰っていく。
担任の先生は自分のクラスの生徒が保健室登校になったらここまでしないと行けないのかと思うと、大変だなと思う。同時に、申し訳ないとも。
今日も雑談をして、いざのみーが帰るという時に彼は一言僕に地雷を落としていった。
「あ、そうだ遥。もし教室で授業受けられそうだったら、少しだけでも頑張ってみような。ほら、みんな心配してるから」
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