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部活登校
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5限6限が終わると、教室に行けていないという罪悪感からも、いつ同じクラスの子がここに来るかなって恐怖からも、全てから解放される。
僕の、大好きな時間。
ホームルームが終わる頃合いを見て、急いで体育館に向かう。
「よう、郡山」
「やっほー、今日も早いね」
先に来てた数人とワックスがけをして、バスケットボールを体育館倉庫から持って来る。
「保健室登校の子」から一転、僕は放課後、「普通のバスケットボール部員」になれる。
ここでは僕の敵はいない。同じクラスの子はいるけど、部活では普通の友達のように接してくれる。
でも、毎回練習終わりになると「岡田たちには俺らと喋ったことはナイショな」と念押しされる。
ずるいなあと思いつつ、普通に話してくれるだけでもありがたいかと思い直す。
だから、ここには僕の敵はいない。
誰も僕が「いじめ」られていることは知らないか、知らないふりをする。
そうなんだ。誰も、部活で仲良くしてるからといって教室でのいじめをなんとかしてくれようとする人はいない。
ここには僕の味方もいないんだ。
そう、思っていた。
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