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下校3
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込み入った話がある、という立山先輩の言葉を思い出したのは、駅に向かって歩き出して5分くらいしてからのことだった。
「あの、先輩」
「あ?なんだよ」
「その、えっと、込み入った話って、なんですか?」
そう聞いた瞬間、立山先輩の顔がぶわぁっと赤くなった気がした。まぁまぁ暗くなってきているから、よくは見えない。僕の勘違いかもしれない。
「先輩?」
「うるせぇよ」
とても不機嫌そうなその声に、ビクッとする。
なんだよ、先輩から話があるから帰ろうって言ったくせに、なんて勝手な人なんだ。
立山先輩は表向きはかっこいい先輩かもしれないけど、言ってることが無茶苦茶な人じゃないか。
むぅと怒っていると、突然先輩が僕の腕をグッと掴んだ。
「付き合え」
「へ?」
「だから!お前は黙って俺の彼女になればいいっつってんだよ。聞き返してんじゃねぇぞ」
早口でそうまくしたてられても、言われてることの意味が分からなかった。けど、聞き返すなと言われたし。
何も言葉を発さない僕を見かねて、先輩はまたため息をついた。
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