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告白練習2
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「気をつけ、礼」
「ありがとうございました!」
これで今日の練習も終わりだ。あとはコートを片付けて帰るだけ。
と思っていたら、立山先輩がこっちに向かってきた。
「郡山、片付けもあるだろうから15分後に部室前な」
「へっ?」
「は?」
お前なんで分かってねぇんだよ、みたいな目で先輩が僕をみる。いつもより少し優しそうだった先輩の顔が一瞬でキュッと怖くなった。
どうしよう、またまた、僕はこの人を不機嫌にさせてしまった。多分。
すると、先輩が周りに聞こえないように僕の耳元に口を寄せて話す。
「練習とはいえ、お前は俺の初めての恋人なんだ。帰り道くらい送らせろよ」
「えっ、えっと。一緒に帰るならまだしも、送っていただくなんてちょっと、悪いというか」
僕がタジタジしていると、先輩はキリッと目を吊り上げた。
「何遠慮してんだよ気持ち悪りぃな。初めての恋人だぞ?大事にさせろっつーの」
なんだそれ。その、イケメンにしか許されないようなセリフ(しかもイケメンだから許される)。
先輩、練習なんてしなくてももう十分ハイスペックじゃないですか。彼氏力すごいじゃないですか。
そんな僕の心の声は、じゃあ15分後になと無理やり約束を取り付けた先輩の声にかぶって、消されてしまった。
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