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デート予行2
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そして、緊張の土曜日。
いつも通りキツイ練習を終えて、コートの片付けを終えて、急いで部室まで走る。なぜなら、今の僕は1人じゃなくて、僕を待ってる人がいるから。
「おっせえよ」
「す、すみません」
そうは言いながらも、優しい目をしている。
立山先輩は付き合い出してからこう言う目を僕に向けることが多くなった。優しい目、一見乱暴に見えるけれど優しい言葉、優しい手。
立山先輩のそんな優しさに、僕は心を開きかけていた。
帰り道、先輩の半歩後ろを歩く。
そうしたら先輩は「こっちこいよ」って手を握ってくれる。
外でこんなことしていいんですかって聞いても、「うっせえよ」って言うだけで答えてはくれない。きっと、いいってことなんだろう。
先輩と手を繋いでいると、安心する。
もう僕はひとりぼっちじゃないんだって、そう思える。
立山先輩の手が好き。
優しい目も口調も好きだけど、手は特に、全てを包み込んでくれるようなあったかさがあって好き。
「こんなこと言ったら、キモがられるかな」
「あ?なんだよ」
「えっ!?い、いえなんでもないです!」
どうしよう、声に出てたんだ。
やばいやばいと思っていると、先輩が手を強く握り直す。
「キモがられるとかなんとか言ってたけど、俺はお前のことキモいとか思わねーから。だって彼氏だろ?」
優しい目で笑う先輩を横目に、なぜか少しだけ胸が痛んだ。
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