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教室登校
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(ここから遥の過去編となりますが、細かいいじめの描写があります。苦手な方はご注意ください)
【6月】
僕はいらない子なのかもしれない。
「勘違い男ご入場〜」
「うっわなんで今日も学校来るかな。南が可哀想」
いや、「なのかもしれない」じゃない。少なくともここ、1年A組ではいらない子だ。
その証拠に、ほら。机と椅子がガムテープで何重にも巻かれている。机の中を除けば、中の教科書やノートが一冊もない。教室のゴミ箱を除けば、それらはあった。ただし、水浸しでもう使えない状態で。
僕は困っている。そんな困っている僕をみて、岡田くんが笑う。滝沢さんが笑う。岡田くんの友達も笑う。みんなが、クラスのみんなが僕を笑う。
「もう男子〜、ひどぉい。やめなよぉ」
そんなことを言いながら、滝沢さんのグループの人たちは大笑い。何がそんなにおかしいの?
国語の授業で教科書を読むとき、仕方ないから隣の席の子に見せてもらうようお願いした。
結果、気持ち悪りぃなと罵られた。以上。
「なんだ郡山、教科書忘れたのか?全くお前は」
先生は何もわかってない。単に僕が教科書を忘れただけだと本気で信じているの?
だって、僕の机には「死ね」とか「勘違い男」とか油性ペンで書かれてあって、それを先生は見ているはずなのに。
なのに、先生は気がつかないふりをする。
それは、どの授業の先生も同じだった。
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