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2A登校4
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その後も僕はA組の先輩たちに友達になって、と囲まれて、ようやく席を確保したのが5分後。
いや、厳密には席とは言えないのかもしれない。だって僕が座っているのは、八重先輩の膝の上なんだから。
「八重先輩っ、本当、僕、重いので」
「大丈夫大丈夫、はるちゃん可愛くて軽っこいから」
はるちゃん、なんて可愛いあだ名で呼ばれて、変な気持ち。これは八重先輩が最初に呼び出したあだ名で、他の先輩も真似するように、はるちゃんはるちゃんって呼び始めた。
「はるちゃんお弁当は持ってきたん?」
「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
お弁当の心配をしてくれたのは、高城城(たかしろじょう)先輩。長めの前髪に黒縁眼鏡をかけた、八重先輩とは違うタイプのイケメン。他の先輩たちからは城って下の名前で呼ばれていて、あと関西出身らしく関西弁で喋っている。
にしても、3人並ぶと絵になるなぁ。
普段から、八重先輩と高城先輩は立山先輩と3人で仲良しらしい。3人ともイケメンなんだから、類は友を呼ぶってこういうことなのかと勝手に納得させられる。
「はるちゃんって何部なの?」
「バスケ部です。立山先輩と同じです」
「そっかぁ。はるちゃんがバスケしてる姿、きっと可愛いんだろうなあ」
八重先輩がそういうと、立山先輩にギロリと睨まれた。そこで慌てて、僕は先輩と比べてとても下手くそなんです、と付け加える。
危ない。僕が「立山先輩と同じ」だなんて言ったから、先輩は怒ったんだ。
「はるちゃんはクラス何組やっけ?」と、高城先輩。
「1年A組です。でも、ちょっと」
「あぁ大丈夫。無理して言わんくてええよ」
「あ、ありがとう、ございます」
高城先輩、優しい。高城先輩だけじゃなくて、このクラスの先輩たちは、すごく僕に優しい。
これも全部、立山先輩のおかげなんだな。
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