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2A登校5
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その後も先輩たちと話して、特に仲良くなったのは3人。
まず、立山先輩のいつメンでムードメーカーの八重先輩。サッカー部っぽいと思っていたら本当にサッカー部でびっくりした。
次に、同じく立山先輩のいつメンで美術部の高城先輩。絵がとても上手らしい。今度見せてくれる、と約束までした。
最後に、僕を終始「可愛い」と褒めちぎってくれた村中綾子(むらなかあやこ)先輩。見た目から明るい感じで、焼けた肌がよく似合う笑顔の素敵な先輩だ。
みんな美男美女で驚いた。3人の先輩の間で膝の上に乗るのを回されたり、部活や家族構成など自分の話をたくさん聞かれた。もちろん、クラスのことは避けて。
予鈴がなると、帰らないといけないと言うことにハッと気づく。
どの先輩もとても良くしてくれたから、ここを離れるのがすごく寂しい。
すると、村中先輩がこっちにやってきて僕の頭を撫でてくれた。
「はるちゃんならいつでも大歓迎だから。今日だけじゃなくて、明日も明後日もおいで。みんな待ってるよ」
「え、いいんですか?」
そしたら、八重先輩と高城先輩もこっちにきて僕をぎゅうっと抱きしめてくれる。
「いいんですかって、はるちゃん当たり前だよ。はるちゃんはもう俺らの仲間だから、いつでもきてね」
「絵も見てくれるんやろ?明日もはるちゃんが来てくれるん、楽しみに待っとるから」
「八重先輩、高城先輩…」
「八重と高城と村中ばっかずるいぞ!はるちゃん、明日は俺たちとも話そうね」
「そうだよ。クラス全員、はるちゃんと話したくてうずうずしてるんだから!」
A組の先輩たちが、みんな集まってきてあたたかい言葉をかけてくれる。
それはまるで、僕もクラスの一員のようで。
「僕は…僕にも、ちゃんと友達ができるんだ」
「当たり前だろ。だからここに連れてきた」
「立山先輩」
立山先輩、全てあなたのおかげです。
立山先輩がいたから、僕はこんな優しい人たちと出会えて。
「立山先輩、本当にありがとうございます」
「こんぐらい余裕だから」
得意げに笑う先輩の顔が、まぶしい。
僕も、この人に何かを与えることはできるだろうか。
「明日も必ず来ます、本当に今日はありがとうございました!」
学校に行く楽しみが、またひとつ増えた。
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