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体育祭必勝法
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10月になって、学校内の雰囲気はひとつの行事に燃えていた。
『年に一度の、体育祭』
僕たちの学校は1学年8クラス、合計24クラスあって、体育祭では1チーム6クラスずつの4チーム対抗だ。
A組とB組は同じ赤チームだから、僕と立山先輩は同じチーム。ついでに1年B組の大志も同じクラスだ。
でも、
「行けるわけ、ないよ」
「郡山くんにとって少し体育祭はハードかもね」
ほうら、遥先生もそう言っている。なのに目の前のこと人といったら。
「いいから。絶対後悔させねぇから体育祭の日は学校来い。1年に1度の思い出、作りたいだろ?」
「クラスのみんなに蔑んだ目で見られて笑われて、なんで来たんだよなんて言われてボコボコにされる思い出なんて作りたくありません」
立山先輩には僕の気持ちなんて分かりっこない。先輩はクラスの中でも中心人物で、先輩と八重先輩、高城先輩の3人グループがいわゆる一軍らしい。(村中先輩が教えてくれた)
「先輩のようなクラスの権力者には、僕の気持ちなんて分かりっこないです。僕がどれだけ怖い思いするかなんて」
「何言ってんだよ。何も、1年A組の席に行けなんて言ってねぇよ。そんなこと言うわけねぇだろバカ」
「へっ?」
なら、僕はどこに行けと言うんだ?
「2年A組の一員になって、思い出作ればいいじゃねぇか」
「そ、そんなこと、できるわけない」
体育祭の日はクラスごとに決められた敷地内に座る。それも学年ごとに座るから、確かに2年生のところにいれば岡田くんたちに会う可能性は低いけど。
だけど、そんなことできるわけない。それに、万が一岡田くんたちと会うなんて考えたら行けるわけがない。無理だ。
「それがいけんだよ。一兄と一緒に学年主任と校長に掛け合って来た結果、お前は2年A組の場所にいられることになった」
「え?」
先輩と遥先生、わざわざ掛け合ってくれたの?僕なんかのために。
「けど、2年の競技に参加することは認められなかった。悪いな」
「そ、そんなことまでしてもらわなくて大丈夫です!本当に、ありがとうございます。えっと、遥先生もありがとうございます」
「いえいえ」
遥先生はいつも通り、僕にニコニコ優しい笑みを向けた。
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