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体育祭4
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「郡山ぁ!勝ったぞ!」
「お疲れ様です先輩。先輩大活躍ですごかったです!」
何か渡すものはないかと探して、首にかけてあったタオルを差し出す。
さんきゅ、とそのタオルで汗を拭く先輩。本当かっこいいなぁ。タオルはしばらく洗濯できそうにない。
「お、村中もいんのか」
「ちょっと、村中もって何よ!いいもん、立山なんかよりあたしの方がはるちゃんとラブラブしてやるんだから」
「ラブラブって、別に俺はラブラブしてるわけじゃ」
「あーらそう?立山とはるちゃんって、側から見ればいちゃついてるカップルみたいだけど」
「えぇ!」
カップル、なんて響き、ドキドキしかしないからやめてほしい。でもちょっと嬉しかったりして。
「あっ、やばい!次の借り人競争あたし出るんだった!じゃあねはるちゃん、と立山!」
「頑張ってください!」
「ありがとーう!」
嵐のように去っていった村中先輩。
優しくて、元気で、明るくて、立山先輩も村中先輩みたいな人が好きなのかな。
「あー。やっと落ち着いて見れるな。やっぱ郡山と2人って落ち着く」
「あ、ありがとうございます。僕も立山先輩と一緒、嬉しいです」
落ち着くって、いい意味でかな。
僕と2人だと嬉しい、みたいなすごくポジティブな解釈をして、勝手に嬉しくなる。
先輩に肩に腕を回されて、そのまま距離が近づく。
さっきの騎馬戦でよっぽど頑張ったのか、少し汗の匂いがして、ドキドキする。
ナツ、頑張ったねなんて、頭を撫でてあげたくなる。
やっぱり僕は、この人が大好きだ。
しばらく立山先輩と2人でいると、向こうから馴染みの顔がやってきた。
「はーるちゃーん!と、夏彦!」
「はるちゃんとおまけの夏彦ー!」
「だからなんでさっきから俺はずっと郡山のおまけ扱いなんだよ」
「八重先輩、高城先輩。こんにちは」
ぺこりと頭を下げると、先輩たち2人はそれだけで僕を褒めてくれる。はるちゃん可愛くて礼儀正しいねって。
優しいお兄さんが2人できたみたいで、とても嬉しい。
「2年女子が借り人競争だよな。ここで借りられるの待つとしますか」
借り人ってことは、僕も借りられる可能性があるのか。
なんだかワクワクしてきた。
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