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体育祭10
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「それでさ、遥」
大志が急に立ち上がって90度の角度で僕に頭を下げた。
「今までごめん!遥が教室で辛い目にあってたの、俺夏彦先輩から聞かされるまで何にも知らなかった。遥の1番側にいたかったのに、本当にごめん!」
「え、いいんだよそんなこと」
「そんなことじゃない。頑張り屋さんの遥がクラスに行けないくらい辛いって、相当のことだ」
大志、そんな風に思ってくれているんだ。
「ありがとう大志。その気持ちだけで十分嬉しいよ」
「おう。あと、それでさ」
大志が言葉の続きを言おうか言わまいか悩んでいる。
ちゃんと聞くから言って、と言ったら、やっとその口を開いた。
「遥、今辛い状況にあるわけじゃん」
「うん」
「それ、俺に守らせてほしいんだ。遥の1番側で、遥のこと守らせて」
「えっ?そ、それって」
「うん。遥、俺と付き合ってほしい」
大志の突然の告白に、目が丸くなる。
あの大志が?幼馴染としてずっと仲良くやってきた大志が、僕に告白?
でも。
「ごめん、僕には好きな人が」
「それも薄々気づいてた。あえてここでは名前言わないけど。その上で告白してる」
「えっ」
大志にゆっくりと抱きしめられる。大志の胸の鼓動が伝わって、僕までドキドキしてくる。
「あの人より俺の方が遥を幸せにできる。今の遥は確かに先輩が好きかもしれないけど、俺がその気持ち塗り替えてあげるから。返事はいつでもいいから、よく考えてみて」
そう言って大志が去ったあと、僕は1人で呆然としていた。
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