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初恋 大志side
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物心つく頃には、自分は将来遥にプロポーズして結婚するものだと思っていた。
何も手を加えていない自然な黒髪、俺をまっすぐに見つめる丸い瞳、恥ずかしくなるとすぐ真っ赤になる頬、女子みたいに細くて柔らかい体。
まるで白雪姫のような見た目をした遥は、心まで綺麗な子だった。
そんな遥のことが、誰よりも大好きだった。
それは、高校生になってからより一層魅力的になった遥とどう接したらいいか分からず、少し距離を置くようになってからも。
でも、その距離を置くようになったのが悪かったのか。
体育祭前日の部活の休憩中、尊敬している夏彦先輩からこう質問された。
「1年の間では、今の郡山がどうなってんのかは有名なんだろ」
「は?」
遥と何の接点もないはずの先輩から遥の名前が出てきて、まずは驚いた。
そして、何が有名なのか分からなかった俺は、夏彦先輩から遥がクラスでどんな目に遭っていたのかを少し聞いて、怒りがこみ上げてきた。
「なんだよそれ。どうして遥、俺に何も言わなかったんだ」
「どうしてって…それはお前が悪いんだろ。口では大事な幼馴染とか言っときながら、郡山の側にいなかったお前が」
夏彦先輩の言うことはもっともだった。
「郡山は俺が守る。俺だけは絶対、郡山の味方でいる」
そう言った夏彦先輩が遥のことをどう思っているかなんて、言われなくても分かった。
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