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体育祭11
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大志が保健室を出た数分後、先輩がやってきた。息を切らしていて、走ってきてくれたんだなって分かって、それにもキュンとしてしまう。
「郡山…お前、目覚ましたって」
「はい。心配かけてすみませんでし…わっ」
先輩が僕の寝ているベッドに乗り上がって、僕を強く抱きしめた。
先輩の吐息が耳のすぐそばで感じられて、耳がくすぐったくて、もうドキドキして死んでしまいそう。
立山先輩、好き。好き。大好き。
「このバカ。熱中症には気をつけろって言ったのに」
「すみません、本当に」
「本当だ。もうこんなヘマすんなよ。お前が倒れた時、心臓止まるかと思った」
ぐりぐりと先輩の頭が僕の肩に押し付けられて、先輩の汗の匂いがする。でも全然嫌な匂いじゃなくて、むしろずっと嗅いでいられる。
上に乗ってる先輩が重くて、その重さが今先輩に抱きしめられているんだって体で実感できて嬉しい。
僕は、本当にこの人が大好きだ。
「俺がいない間は中里にお前のこと頼んでたけど、大丈夫だったか?」
「あっ、はい。大丈夫でした」
僕、さっき大志に告白されたんだよな。
だけど、今この状況がドキドキで幸せすぎて、立山先輩以外の人と付き合うだなんて考えられない。
それがたとえ、先輩に僕以外の本命さんがいて、僕はその人の練習台だとしても。
「もう大丈夫そうだったら、グラウンドに戻らないか?多分今閉会式で、終わったらクラスで写真撮るから」
「えっ、でもそれ僕」
「2Aのクラス写真に写っていい。ちゃんと俺が全員の許可とっといたから。思い出作るんだろ?」
「あ、ありがとう、ございます」
そのあと少し休んでから、僕は先輩に手を引かれてグラウンドへと戻った。
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