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すれ違い
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体育祭が終わってから、立山先輩と2人で帰れる日が極端に減っている。
理由はわかっている。僕が大志の誘いを断りきれないせいだ。
そして今日も。
「遥、帰ろうぜ!」
「あっ、えっとね、僕は立山先輩と」
「んなら夏彦先輩も一緒に3人で帰ろう。大人数の方が楽しいだろ?」
いつもはここで大志に流されて3人で帰ることになってしまう。
だけど、今日こそはきちんと断らないと。
だって、僕が立山先輩と付き合えるのは3月までで、それまでは少しでも長く立山先輩のそばにいたいから。
「ごめん大志!無理だよ。僕は立山先輩と2人で帰りたい」
「遥…」
「本当にごめんね」
大志は見ても分かりやすすぎるほどに落ち込んでいる。そんな姿を見ると罪悪感を感じてしまうけど、ここで負けたらダメだ。
「じゃあ遥、明日は」
「うーん。えっと、じゃあ、1日置きにしよう。大志も一緒に帰るの」
「それじゃ遥が足りない」
手をとられてニギニギされる。大志の手は僕のよりもずっと大きくて、立山先輩はどれくらい大きいんだろう、なんて考えてしまう。
それくらい、僕は先輩が好き。
その時立山先輩が通った。
「あ、立山先輩。今日は帰り一緒に」
「あぁ、悪りぃ。俺今日はこいつと帰るから」
先輩の横にいたのは、マネージャーの森川(もりかわ)くんだった。
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