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すれ違い2
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森川柚音(ゆずね)くん。
同じクラスで、バスケ部の男子マネージャー。4月の頃は甲組の部員だったけど、腰を痛めて激しい運動ができなくなってしまってからマネージャーをしている。
クラスでの森川くんは大人しくて、岡田くんたちとつるんで僕をいじめたりとかはしないタイプの子だ。
そんな森川くんと立山先輩が、どうして。
目の奥が熱くて、ほろほろ涙が出てくるのを止められない。
いつも一緒に帰っていたのは僕なのに、付き合ってるから一緒に帰るって言ったのは立山先輩なのに、先輩は森川くんに腕を絡めとられて一緒に歩いている。
ここからは森川くんの横顔しか見えないけど、それはとても幸せそうで。
「先輩が好きなのって、森川くんだったの?」
だから僕はもういらないの?2人の恋は上手くいったから。
その時、大志が僕のそばに来てギュッと手を握った。
「遥、俺でよかったら一緒に帰ろうか。俺なら、遥と帰るのを断ったりなんて、絶対しない。遥が1番優先」
郡山が俺の最優先事項。
いつの日か、立山先輩はそんなことを言っていた。
なのに結局は、先輩の1番は本命さんで。森川くんで。
「大志…帰る時、手ギュってしてもいい?」
「してもいいってか、してほしい。俺が遥のことどう思ってるか知ってるだろ?」
「うん」
今はショックで、立っているのがやっとで。
だから、少しだけ大志の好意に甘えさせてください。
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