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すれ違い6 夏彦side
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「郡山が教室でいじめられないようにしてあげましょうか?俺、郡山と同じクラスなんですよ」
3日前、マネージャーの森川柚音からこんなことを言われた。
それは俺にとって願ったり叶ったりの提案で、すぐに森川にそうしてくれるよう頼んだ。
「ありがとな。お前いい奴じゃん」
「待ってください先輩。俺、タダでするなんて言ってませんよ?」
上目遣いでそう言う森川を前に、嫌な予感はした。
だけど郡山のためだと思い、条件を聞くことにした。
「俺は何をしたらいい」
「そうですね。条件は2つあります。まずは、もう郡山と話さないでください」
「は?んなことできるわけ」
「郡山がこのままずっといじめられてもいいんですか?」
森川の揺さぶりに、心が揺れる。
郡山と話せなくなるなんて、もう学校に行く意味がなくなるも同然だ。だけど郡山のためを思うならその要求は受け入れるべきで。
「…とりあえず、もうひとつの条件を聞かせろ」
「もうひとつは簡単です。俺と付き合ってください」
「は?」
「だから、俺と付き合ってください。郡山がいじめられなくなるんですよ?それくらい先輩はできますよね」
郡山の笑顔が頭に浮かぶ。
あの愛しい笑顔がもっと見られるようになるなら、俺は引くべきではないだろうか。
もともと、叶いそうもない恋だ。それなら俺はせめて、郡山の幸せのために。
「分かった。条件を飲もう」
「夏彦先輩ならそう言ってくれると思ってました!これからよろしくお願いしますね」
そう言われて、森川から頬にキスをされた。
これが郡山だったらどんなに幸せかと思いながら、俺と森川の関係が始まった。
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