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綾子先輩と遥先生3
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「僕は…立山先輩のことが、好きなんです。男同士なのに気持ち悪いかもしれないけど、恋愛の意味で、本気で好きなんです」
「僕は人の恋を気持ち悪いなんて思わないよ」
「あたしも。はるちゃんの大切な恋だもん。応援してるよ」
2人とも、優しい。
あぁだめだ。立山先輩の名前が出ると、好きすぎてまた涙が出てしまう。拭ったばかりなのに。
「でも、僕失恋しちゃったんです。立山先輩は森川くんと付き合ってて、だから僕は」
そこまで言うと、遥先生にちょっと待って、と話を止められた。
「ナツが郡山くん以外の人と付き合うなんてありえないよ」
「僕のは練習台でしょ?立山先輩は、本命さんと付き合えたから僕のことがいらなくなったんです」
村中先輩は悲しそうな顔で、遥先生は少し困っているようだった。
「全く、ナツってば何やってるんだ。1番大事な子放ったらかして」
「本当よ!立山、はるちゃんがあたしたちのクラスに初めて来る時ね、『こいつは俺の宝物だから、絶対に傷つけんなよ』って牽制してたのよ。なのに…もうっ、立山のバカ!バカバカバカ!」
俺の、宝物?
そんなのありえない。僕なんかが宝物なんて。
だけど、嘘でも立山先輩がそう言ってくれたことがどうしようもなく嬉しい。
立山先輩、やっぱり僕はあなたが大好きです。毎晩諦めようと頑張っても、できません。
「立山先輩…僕、立山先輩しかいらない。立山先輩のそばにいられるならなんでもする。だから、だから…もう一度、僕と付き合ってほしい…っ」
言いながら、洪水のように涙が溢れでてきた。拭っても拭ってもきりがなくて、保健室の机を濡らしてしまう。
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