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綾子先輩と遥先生4
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「郡山くん、涙を拭いて」
「は、い…すみ、ませんッ」
「謝らなくていいんだよ。郡山くんをこんなに傷つけた悪いやつは、ナツなんだから」
「たて、やま先輩のことっ…わるく、いわな、で」
「あぁごめんね。郡山くんの大切なナツだもんね」
遥先生はふわぁっと笑って、僕の背中をリズムよくぽんぽん叩いてくれた。
小さい頃お母さんにやってもらったような、心地よいリズム。すごく安心する。
しばらくしてようやく僕が泣き止むと、遥先生はこう言った。
「とりあえず、ナツには何かナツなりの事情があるのかもしれない。僕と村中さんの2人で探ってみるよ」
「任せてはるちゃん。あたしこれでも、女子の中では立山と1番仲良いの!八重ちゃんと城にも協力要請しとくから」
「2人とも、ありがとうございます。へへっ、なんか、優しいお兄さんとお姉さんみたい」
そう笑うと、2人は驚いたような顔をした。
「郡山くん…その顔は、うん、すごいよ。ナツなんてイチコロだね」
「はるちゃん、ちょっと可愛すぎるよ。世の中の男全員はるちゃんにメロメロになっちゃう」
2人とも何を言ってるんだろう。
笑顔なら、いつもふわぁって笑う遥先生の方がよく似合うし、村中先輩の方が僕なんかよりずっと可愛いんだけどなぁ。
予鈴がなって、村中先輩が帰るその時、先輩はひとつ提案をした。
「はるちゃん。これからはあたしのこと本当のお姉さんだと思って、綾子ちゃんって呼んでよ!村中先輩だなんて距離感感じちゃう」
「えぇ!綾子ちゃんはちょっと、先輩なのに馴れ馴れしいというか」
「なら綾子先輩。それでいい?」
「あ、えっと、はい。わかりました」
僕の返事に満足したように村中先輩は、いや、綾子先輩は、教室に戻っていった。
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