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反抗期2 一郎side
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次の日も、昼休みになると僕と郡山くんと村中さんの3人で集まった。作戦会議をするためだ。
「立山にはるちゃんを避ける理由、聞いてみたんだけどね。てめぇに関係ねぇだろの一点張りなの。ほんっと立山ムカつく」
「そう、なんですか」
郡山くんは分かりやすく落胆している。
可哀想に、昨夜も泣いたのか目が少し腫れている。
これは早くなんとかしないとな。
「遥先生はどうだったんですか?」
村中さんに聞かれた。
「夜、ナツに電話してみたんだけど。ごめんね、僕がナツの機嫌損ねちゃったみたいで、結局聞き出せなかったよ」
言いながら、本当に申し訳ない気分になる。
郡山くんは今にも泣きそうで、そこまでナツのことを想ってくれているのは嬉しいけど、可哀想でみていられない。
「もう、いいんです。僕の恋は終わったんです。綾子先輩も遥先生も、ありがとうございました。僕は、立山先輩が好きな人と付き合えたことを、喜ばなくちゃ」
そう言って、郡山くんはぎこちない作り笑顔を浮かべた。
きっとこの笑顔が今の郡山くんの精一杯なんだろう。
郡山くんのこういう健気なところを見ていると、ぎゅっと抱きしめてあげたくなる。
ナツも前言ってたよなぁ。あいつは見てると守りたくなってくるって。
なのに、ナツのバカ。今は守るどころか傷つけちゃってるじゃん。
そんなことしてたら、僕が郡山くん貰っちゃうよ。いや、別に本気で貰うつもりはないけど。
「これからは、立山先輩の迷惑になるから僕のこと聞くのはやめてください。立山先輩もきっと、僕の名前なんて聞きたくないです」
「そんなこと」
「そんなことあるんです。だから、何も答えてくれないんです。僕の…ッぼくの、恋は…おわった、から」
郡山くんの涙が目の淵からはみ出して机にぽとりと落ちた。
その涙を拭って、今度は綺麗な笑顔を作った。
「本当に、2人ともありがとうございました!綾子先輩も遥先生も、大好きです」
「はるちゃん、」
郡山くんがもういいと言ったから村中さんは諦めてしまったけど、僕は郡山くんにも内緒でこれからもナツに探りを入れようと思う。
だって、ナツが郡山くんを手放すなんて、あまりにも2人が可哀想だから。
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