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見立てデート2
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そして、あっという間に約束の日曜日はきた。
この日は動きやすいように長袖Tシャツと厚めのパーカー、ジーパンという特におしゃれもしてない無難な服装だった。
待ち合わせの10分前には着いたのに、大志はもうすでに僕を待っていた。
「ごめん!待たせちゃった?」
「全然。約束の時間より早いんだから謝ることないって」
「でも、大志を待たせちゃったことに変わりはないから」
ごめんねと頭を下げると、そういうとこだよと言われた。
「遥のそういうとこが、俺は好き。いつも他人目線で、ごめんねとありがとうが素直に言えるところ」
好き、なんて面と向かって言われることは中々ないから、やっぱりどうしても恥ずかしい。心臓の音が大きくなっていくのがわかる。
遥はいい子だなと、子どもみたいに頭を撫でられる。
自分の身長が小さいのをバカにされている気もしたけど、不思議と嫌な気はしなかった。
「じゃ、中入ろっか」
「うん!僕、遊園地なんて中学生ぶりだからちょっと楽しみ」
「あーあれ?卒業記念で俺と遥と金本と佐々木と…なんか10人くらいで行ったやつ?」
「そうそう!あれ楽しかったよね」
中学校最後のクラスはとても仲良くて、大志も同じクラスで、卒業記念に大人数でワイワイはしゃいだんだ。
すごく楽しかった。
「遥がジェットコースターでガチ泣きしてたのが面白かった」
嫌な記憶が思い出される。
そうだ、僕はここのジェットコースターが怖すぎて…ていうか、元々ジェットコースター得意じゃないのにみんなが無理やり乗せるから。
「もう、嫌なこと思い出しちゃったじゃん!大志のばか」
「ごめんって」
大志は悪びれた様子もなく、おちゃらけた調子で謝った。
まぁ、僕も本気で怒ってはないんだけどね。
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