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見立てデート5
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船のアトラクションから出ると、外は雨が降っていた。それも小雨ではなく普通に降っている。
しかも、天気予報で雨が降るなんて言ってなかったから、僕も大志も傘なんて持ってきていない。
「ど、どうしよう」
「残念だけど帰ろう」
大志がそう言って、僕の手を握った。
「遥が風邪引いたらダメだしな。さ、早く帰ろう」
「でも、」
大志、今日の遊園地すごく楽しみにしてたのに。帰るのは僕のせいではないけど、なんだか申し訳ない。
そんな僕の気持ちを読み取ったのか、大丈夫と頭に手を置かれた。
「今日たまたま雨が降ったって、また今度行けばいいじゃん。また誘うから、日を改めてデートしてほしい」
「で、デートなんてそんな。僕、そんなつもりじゃ」
デートは、好きな人同士が2人で出かけること。
大志には申し訳ないけど、僕はまだ、大志とデートができるほど振り切れていない。
「なら2人で遊ぼう。いい?」
コクリと頷くと、ありがとうと頭をわしゃわしゃされた。
そんな風に話してるうちに、雨脚はどんどん強くなる。
これは本格的に降るかもしれないと、急いで遊園地を出た。
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