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見立てデート6
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家に帰る頃には2人ともびしょ濡れになっていた。シャツが肌にまとわりついて気持ち悪い。
大志はこんな雨の中でも僕を家まで送ってくれた。ちなみに、僕と大志の家は徒歩1分ととても近い。
「今日は本当にありがとう。雨降っちゃったけど、楽しかったよ」
「いやいやこちらこそ。幸せだった」
家に入ろうと鞄から鍵を出そうと…鍵を…あれ。
「ない…鍵が、ない」
「え?マジで?」
鞄の中をよく探したけど、結局見つからなかった。今朝家を出るときはお母さんに鍵を閉めてもらったから、きっと忘れてきてしまったんだ。
「最悪だ。お母さんとお父さん、今日夜までデートするって言ってた」
「遥の親御さんは相変わらず超ラブラブだな」
大志がからかうようにいう。
これじゃあ家に入れないと本格的に困りはじめていたら、大志は「大丈夫だよ」と言った。
「俺ん家来ればいいじゃん」
「えっ、でも」
「こんなに濡れて風呂にも入らないとか絶対風邪引くって!あと、俺ん家は多分母さんいるから大丈夫。何もしない」
どうしようかと悩んでいると、とりあえず行こうぜと無理やり連れていかれた。
「大丈夫。俺遥のこと体目当てとかじゃなくて本気で好きだから、マジで変なことは何もしない」
大志の家の前までついたとき、もう一度真剣な顔でそう言われた。
そう言えば、立山先輩も前同じこと言ってたよな。
初めて先輩の家でデートする時、「別に何もしねぇから安心しろ」って。その時の手が優しくて、本当に安心できて。
結局、僕が倒れてしまったせいでデートは台無しになってしまったけど。
って、だめだだめだ。また先輩のこと考えている。
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