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休憩時間―『昼休みの美術室』―
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――悪いな森本、付き合わせて。
――ううん。部活や授業以外で美術室に来るのも、なかなかいいもんだね〜。
――そうだな。たまたま貸し切りにできてよかった。
――昼休みの間だけだけどね。
――制限時間は20分ってとこか。少し急がないとな。
――ねーえ。ちゃんと約束覚えてるよね?
――勿論。うちの上等な和菓子詰め合わせだろう?
――違うよおっ!! いやそれもだけどさ! もぅ。だから、僕そのものにはしないでねって話。
――あぁ、わかってるわかってる。
――それならいいけど。
――けど、何でそんなに嫌がるんだ?
――何でって……。あのねぇ、模写みたいにまんま僕の身体と同じように造られたら、これから後藤の部屋に裸の僕がずっといるのと同じようなもんじゃん。
――俺はそれでも構わないけどな。
――構わないっていうこと自体が問題だと思うよ。
――冗談だよ冗談。安心してくれ。モデルは参考にしかしないよ。何せ人間の彫像を彫るのは初めてだからな。
――後藤はいつも草花とか、あっても動物ぐらいしか作らないもんね。急にどうしたの?
――ん〜、何だろうな? なんか、あれだ。自分へのプレゼントだよ。
――?
――手元に置いときたくなったんだよ。
――え〜? よくわからないんだけど〜…。
――ほら、準備準備。時間ないぞ。完成できなかったら和菓子もなしだからな!
――えぇぇっ!? ちょっと頑張ってよ! いそいでいそいで〜!
20分間、か。
…もっと長ければいいのにな。――俺達の昼休み。
『昼休みの美術室』END
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