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僕らの恋ジジョウ~優しき飼い主様×ニートの野良猫くん~七瀬 翔編【下巻】
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「あいつ、面倒見良いでしょ?なんか優しすぎるくらいに優しいっていうか。」
「あぁ、そうですね。ウザったいくらいに・・・。」
「はは、そうね。でも、そんな性格なのも仕方がないかもしれない。」
「え?」
「兄貴から聞いたことない?自分は実は〝拾われっ子〟だって。」
拾われっ子?ってことは、養子ってこと?
っていうことは、まさか・・・。
「あの・・・、澪さんと竜彦って、血は・・・。」
「繋がってないよ。」
やっぱり、そうだよね・・・。
でも、本当の兄妹にしか見えないけど・・・。
「兄貴はね、5歳の時に両親を事故で亡くしてるの。母方の妹だったうちの母が、そのとき兄貴を引き取って、本当の家族同然に暮らしてきた。でもきっと、あの人の心のどこかでは、私たち家族に甘えちゃいけないんだって、そんな風に遠慮しちゃってるところがあるんじゃないかって、心配してるの。」
あいつ、こんなこと話してくれたことない。
「竜彦の面倒見の良すぎるところは、そういうところからきてたんですね。」
「そうだと思う。私たち家族は、何も知らない他人から見れば、外見は普通の血の繋がった家族に見えるかも
しれない。でも、心の中では、やっぱりどんなに長い付き合いで、親しくなれたとしても、本当の家族にはなれないから。」
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