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僕らの恋ジジョウ~優しき飼い主様×ニートの野良猫くん~七瀬 翔編【下巻】
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聞こえるか聞こえないかくらいの声でそう言った後、竜彦の唇にキスをした。
「お前だって・・・、一人で何でもかんでも、抱え込んでんじゃねえよ!」
「えっ?一体何のこと?澪に何言われたの?」
「竜彦・・・、澪さんと血つながってないでしょ・・・。」
「あぁ・・・。」
「澪さんだけじゃない。お母さんとお父さんとも、血つながってないでしょ。」
「まあ、そうだけど・・・。」
「なんで、話してくれなかったの?」
「ごめんね。ちょっと話すのが恥ずかしかったから・・・。」
「お前・・・、ずっと孤独だったのか?」
「孤独・・・でもなかったよ?今の母さんと父さんには、本当の息子みたいに育ててもらったし、澪も大事な妹
だと思ってるし、友達だっていたし、みんないたから。」
「本当の、両親に・・・、会いたいって思ったことないの?」
「それは・・・。」
竜彦は、言葉を詰まらせた。
そして、目に涙の色を見せ、僕は竜彦を抱きしめる力に愛を込める。
「会いたいって・・・、何度も思うよ。今でも思ってる。でも、この歳までくれば、死んだ人が生き返るなんてこと一生ないって、わかってはいるけど・・・。やっぱり会いたい・・・。」
「うん・・・。そうだね。」
抱きしめあっている強さが、互いの心の隙間を埋めていくように、強くなっていた。
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