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不審
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遅刻ギリギリで教室に入ると、友人たちにセーフだなと出迎えられる。
ノリで、いえーい、と意味もなくはしゃいだ。それから、しかし今日も暑いな、わかる、とまったく意味なさそうな会話ばかりした。
授業は、あまり頭に入らなかった。
事件の日から。
俺は、記録帳に不安を記録する以外には、感情を浪費しなくなった。
ただ、へらへら笑ってる。
卒業や進路よりも早く死んでしまう方が楽なのにということしか頭になかった。
俺が悲しかったように、誰かが悲しむとしても。
学校から帰宅したあと部屋にすぐ向かったらノートの位置が、また変わっていた。
誰かが出入りしているのだろうか。
心の中にまで物理的に入られた気分で、正直いやな感じ。
記録をつけてきたおかげで、俺は自分を保てていたけれど、 それを部屋に来てまで勝手に読まれていいかと言われたら嫌だ。でも、そんなことはきっと起きないはずだ。
なぜなら無理矢理やればそれは犯罪だから。
犯罪なんか普通しないから。
そう、油断していた。
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