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窮屈
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早く学校に行くのは、嫌いだ。
「好きな本とかないの?」
「ない」
「好きな漫画とか」
「ない」
何回、こんな無意味なこと聞かれなきゃならないんだろう。
遅刻せず早めに登校した日、クラスメイトからの何回目かの質問を無視して、椅子に座っていた。
俺に興味を持つやつは、だいたい好きな本や漫画やアニメがあった。
あまり友達を作らなかったのは、それらにほぼ興味関心がなかったから。あの、趣味の輪に加わらなくちゃならないのかと思うと地獄だ。
社会に価値観が合わないのか、
読む本も見る漫画も、大体、俺の存在を透過していくようだった。
何を読んでも、否定されているような感じがして、読まない方がマシだ。
親は大事にするものよ、とか、友達だからだろ、とか、好きになっちゃったとか熱く語られても、何も響かない。
だから?それで?疑問符しか浮かばない。
早く来たものの教室に居づらくて、廊下に出ていった背中に、やっぱりあいつはつれないよなと聞こえた。
ここは地獄だ。
どこかで聞いたような言葉を誰かか喋り、何かで見たようなシーンを誰かが再現するだけ。
これが、『生きている』なんて、退屈だ。
全部どうでもいい。
死ね。
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