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ばたん、とドアを閉めて一息ついたはずが、廊下には廊下でひとがぞろぞろ居た。
「そういえばもうすぐ父の日だな。うち家族サービスがどうとかうるさくて」
「うちは、今度出掛けるよ」
廊下に出て歩く間、そんな会話を聞いてそういえばもう、そんな時期かと考えた。
小学生のときには、母の日の作文とか、絵を描くとかさせられたっけ。
隣の席に座ってた女の子が、泣いたんだ。
それから悩みに悩んだのか、
黒いリボンを頭につけた、四角い形にふちどられた女性の絵を描いて、俺の隣にそれが飾られた。
みんなが好きなものなんて、結局、誰かを殺すためのものだった。
学校も小説やアニメや漫画もだから、嫌いなんだ。
見たら、死にたくなる。
俺や、あの隣の席だった子や誰かが、うまく歩くけずふらつきそうになっている間に『背中を押しに』来るような気がした。
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