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無責任
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教室で、わざわざ内容を読み上げる声。
自分で黙って読めばいいだろうに……と呆れることさえできなくて、
なっちゃんにしがみついた。
「どうしたんだよ」
あせる声。そして俺もあせっていた。
聞こえてくる、言葉たち。
なにか画面を見たままの女子の誰かが、言う。
「『馬乗りになり、首を絞めるミドリ。
俺は怖いよと叫んでいた。なんていう』」
なんていう、地獄だ。
「この描写、リアルだよね」
「わかるー」
でしょうねとも言わない俺は、偉いと思った。
背筋を冷や汗が伝っていく。この空間にいてはならないのだと本能が察していた。
なっちゃんが、驚いたままで固まっている。
やがて俺の手を引いて、こっち、とそこから連れ出してくれた。
「どうしたんだ、顔が真っ白だ」
そう言って、心配そうに俺を見てくる。
「なっちゃん」
俺、怖いよ。
あんな小説見たくないよ。
カンベって誰か知らねぇけど、あんなにそっくりになることが偶然であり得ると思うか?
身体中から体温が奪われたような、そういう感覚が全身を支配した。
気をしっかり持っていなければおかしくなりそうだった。
「河辺ってやつなら、いたな、そういえば」
思い出したみたいになっちゃんが言う。
「ほら、隣のクラス」
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