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心
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頭が、ぼーっとした。屋上から飛び降りても今なら怖くないかもしれないと思う。
心は完全に逝ってしまっている。
「昨日夢を見て、眠れなかったんだ」
頭がぼーっとして、何もかもがどうでもよくなっていた。
こいつは心なんだ。
気が済むまではサンドバッグにしても構わない。深く考えなくていいじゃないか。
楽な方に流れれば。
衝動的に誰もいない階段の途中で抱きつく。
思ったよりも温かかった。
「どうしたんだ」
「河辺……」
なにか言おうとした。
けれど、回された腕があたたかかったのと、昨日の夢のせいで、錯乱した頭は、もう思考をやめていた。
浅い息を感じながら、俺はその場で眠った。
少ししてから目を覚ますと、保健室だった。
河辺が横に居て、心配そうに俺を見ているのがおかしい。
俺は、今ならこの首を締め上げられるだろうかなんて思っていたのに。
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