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空虚
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カラカラと、乾いた心は他には、幸福も楽しさも、なにも感じていなかった。
こいびととやらが居てもただ、苦しいだけだ。
「大丈夫?」
額に手を当てられて、ゆっくり目を開ける。
そいつを見やる。
死なないかなと思う俺を心配する彼に、どちらが悪人なんだかわからなくなりそうだ。
元はといえばこいつが元凶のひとつのはずだったが。
頭がぼーっとした。
はやくしなないかな、を繰り返した。
それは自分でも相手でもある。
俺の心のくせに、俺の心配をするなんてふざけていて、だから起き上がって殴りかかろうとした。
「まだ熱があるんだな」
と、無理矢理おさえつけられた身体は、ぴくりとも動かせず、ベッドに戻るだけだった。
苦しい。苦しい。
バタバタともがいて、発作的に首を絞めそうになる。勿論、
自分の。
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