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熱
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3日くらいやすんで、やっと登校するようになった。
廊下を歩いて教室に早足で向かう。
なっちゃんとはまだ顔を合わせていない。
「なぜ、付き合うことを承諾したんだ?」
声がかかって振り向くと、まだだれもいないと思っていた教室には河辺がいた。
本心を言うはずもなく、俺は暇だったからだと答えた。
「カンベって作家知ってる?」
挑発気味に聞いた。
そしたら、やけに、嬉しそうな顔。
「俺だけど」
「あぁ、そう」
ダメージは、その程度。むしろ好きな相手には知ってもらいたいとさえ思っているのかもしれない。
「もう、熱は下がったのか」
なるべく顔を見ないよう目を伏せながら、「平気ー」と答えた。
「平気そうに見えない」
うるせえ。こいつと居ると、どうしようもないくらい嫌な気持ちが沸き上がって、それを悟られないためにドキドキする。
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