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狭間
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「嗄倉羅子さんに、つらい思いをさせたくない。だからお前も黙っていてくれよな」
俺は、頭がぼーっとした。俺の記憶ってなんだっけ。
十数年間ってなんだっけ誰かにフィクション扱いされて搾取されるべきものだったっけ。
先生、俺は、誰だ?
ふらつく足取りで、どうにか、なっちゃんの方に向かう。
心がただでさえ空っぽで常にフラッシュバックが付いて回り夜中も目が覚めるような状態。
さらにそれを脅しに使われ、沢山の人があいつの『作品』を期待するからには俺の心など安く、芸能人のイメージにさえ関わる。
「……はっ」
なぜ倒れてしまえないのだ。
なぜここで、意識を失えないんだ。
つーか知らない芸能人のイメージが、俺の嫌な記憶によって作られようがどうでもいい。
勝手に使う河辺が悪い。
そうだろ?
「お、おい、大丈夫か秋弥」
なっちゃんの声だ。
わからない。
なんにも見えない。
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