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沢山の理由
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脳裏に浮かぶ、今も忘れない場面たち。
刃先を向けられ、殺してやる、と言われたこと。殴り付けられたこと。
「なっちゃん」
すうっと意識が遠退きそうになるから、どうにか繋ぎながら俺はしがみついたままだった。
「なっちゃん……」
「秋弥震えてる」
背中に手を回して、なっちゃんが抱き締める。こんなこと言えやしない。
家族を思い出す。
近所の人の騒音とかで暴言を吐かれたり、ものを壊されたことがあった家族。
今もそれを思い出してヒステリックになるから、特に、母には、その関連の話はNGなのだ。
また あの人か、また泥棒、 また騒音なの。
そう言って俺と二人のときは激しい鬱になるのに、かつては姉が勝手にあることを相談してしまったことがあった。そのせいで、俺は、部屋に響く
また〇〇なの?
原因は〇〇?に、
苦しめられたっけ。
おかげで、NGがわからない出来ない姉(進学して出ていった)にも、
もし俺が学校や近所で嫌がらせされようが悟られない日々を送ることになってさんざんだったのだ。
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