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跡
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朝は澄んだ空気があって冷たい風があって心地良い。気分がいい自分をなんとなく誰からも見られたくなくて、早起きして登校した。
浅かったのもあって、腕にある跡は3日くらいあれば薄くなっている。
「ふふふっ」
狭い間隔で三本ずつあるのが、猫の髭みたいだなと思っておかしくて少し笑ってしまったりした。
気にかける友人は、最初から作っていないから、少し怪我をしたくらいに思うだろうし、包帯とか巻いたりはしなかった。
そんなに具合が悪いのが顔に出るタイプではない。
小さい頃に38度くらいで帰宅したときも、親は俺の表情からは全然わからなくて、学校の先生もわからなかった。
本気でつらかったときも、母や姉たちは自主的に休むと言った俺を「怠けだ」「ズル休みだ」と言って何度かしかりつけた。
実際に計るまで続いたのはいい思い出だ。
だから、それに気付ける逸材が居たらなんだか負けたような気になるのだろう。
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