アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
けっこん
-
血が、垂れたら拭くにも厄介だからあまり切りすぎないようにして、放置されてる椅子に座りながらハンカチで腕を押さえた。
新しい学校生活。
何が変わったってわけでもないけど、新たな刺激を手に入れただけでも充分だろう。
ノートが本来の役目を果たさなくても平気そうだ。
いかにも喧嘩して傷をつけた風に均一じゃないようにつけた傷が、じくじくと痛みながら、俺の新しい生活を歓迎していた。
うとうとしていたら、朝礼に間に合うか怪しい時間になっていた。
1限にある国語の授業はなんとなく好きになれない。
これは感動する、という本をほとんど知らないし。
ありふれた物語は大体、親がいない子は可哀想で、いじめられたら可哀想で、誕生日を祝ってもらえないからってものすごく怒る みたいな、俺には理解できないことがかかれている。
誕生日を祝うのは別に義務ではないだろうし、生まれたからって何がどうというわけじゃない。
俺は少なくともそう思ってきた。
生まれた日を知らない子だって、実は多い。
今日、出張の担任の代理で出席をとる先生が国語教師なことに悩んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
79 / 545