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ひと安心
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「やっぱり、お前は元気な方が俺も、嬉しい。よかったー」
胸を撫で下ろす仕草をされて、俺の箸を持つ手が止まる。ぽろっ、とたまごやきを落としかけた。
「な、なにそれ。でも、ありがとな。心配してくれて」
その曇りのない笑顔を見たら、俺はどれだけ不安がらせていたのだろうと思った。
もう心配させたくない。
……この腕のことは、だから俺だけの秘密だ。
なるべく直視せず、右手の袖をぎゅっとつかんだ。
まるであのノートと一緒だなと嬉しくなる。
普段は奥に大事にしまってあって、俺しかその痛みを理解出来ないのだろう、というところが。
これが心の代わりになるなら、きっと俺はうまくやれる。
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